2026/7/7 公開
この記事は、Quoraで公開した回答を再編集したものです(元の回答)。
hear a rumor と hear of a rumor の違い
Q. I hear of a rumor . なぜhearは他動詞なのにこの文ではofがあるのですか?
hear は他動詞として I hear a rumor. のように目的語を直接取れるはずなのに、なぜ of を挟んだ言い方も存在するのか。これは実は文法の例外ではなく、2つの文で伝えている意味そのものが違うからです。
hear a rumor と hear of a rumor は意味が違う
まず結論から言うと、次の2つは同じ「噂を聞いている」でもニュアンスが異なります。
- I hear a rumor. ― ある噂を(内容ごと)聞いている
- I hear of a rumor. ― ある噂のこと(存在)を聞いている
前者は噂の内容を直接見聞きして知っている状態です。後者は、噂の内容までは曖昧にしか知らない、あるいは間接的に伝え聞いた、というニュアンスになります。
of が作る「距離感」
感覚的に言うと、hear of a rumor は hear と rumor のあいだに、前置詞 of の分だけ距離があるイメージです。直接ぶつかる hear a rumor に対して、of を挟むことでワンクッション置かれ、対象そのものではなく対象の「存在」に触れているだけ、という距離感が生まれます。
hear の意味の広さを of が絞り込む
もう一つの見方として、hear にはもともと幅広い意味があります。単に音が聞こえているという意味もあれば、理解している、というニュアンスで使われることもあります。of をつけることで「噂の存在について耳にした」という意味に絞り込み、誤解を防ぎやすくしている、という使い方もあると考えられます。
ただし hear of a rumor という文自体はまれ
最後に補足しておくと、質問の I hear of a rumor. という文そのものは、実際の英語ではほとんど使われません。rumor はそれ自体がすでに間接的な情報なので、そこにさらに of を重ねると冗長に響くからです。噂について言うなら、普通は I heard a rumor.(噂を聞いた)で十分です。
hear of の「存在だけを間接的に耳にする」という距離感が生きるのは、of の後ろに人やモノそのものが来るときです。I've heard of him.(彼の名前は聞いたことがある)や I've heard of that restaurant.(その店のことは聞いたことがある)のような形が、hear of の一番自然な使いどころになります。