2026/7/7 公開
この記事は、Quoraで公開した回答を再編集したものです(元の回答)。
Look が「聞いて」と訳される理由
Q. 英語の「look」は日本映画で「聞いて」と訳されることが多いですが、lookのニュアンスはどのようなものですか?
「look=見る」のはずなのに、字幕では「聞いて」と訳されている場面を見たことがある人は多いと思います。これは誤訳ではなく、look という単語が持っているニュアンスを踏まえた自然な意訳です。
命令形の look は「注意を向けて」
命令形で使われる look は、「そこを見ろ」という意味というより「注意を向けて」という呼びかけに近い言葉です。たとえば、怒られて目をそらしている子供に対して Look at me. と言うのは、単に視線を合わせろという以上に「ちゃんと向き合って」という意味合いが強くなります。あるいは、あそこに面白いものがあるから見て、というように相手の注意を引きたいときにも使われます。
日本語字幕で「聞いて」と訳されるのは、まさにこの「注意を向けて」というニュアンスを汲み取った結果だと考えられます。実際に何かを目で見てほしいというより、「これから言うことに集中して」という呼びかけとして look が使われているわけです。
驚きを強調する look
look は、すでに視界に入っているものについて、さらに驚きを強調する場面でも使われます。
- Look how big it is!(ほら、すごく大きい!)
- Oh, look who's here!(誰かと思ったら!)
どちらの例でも、対象はすでに目に入っているものです。それでもあえて look を使うのは、「見て」という物理的な指示ではなく、「ここに注目して」という気持ちを強調するためです。命令形の look に共通しているのは、視覚そのものよりも「意識・注意をそこに向けさせる」という働きだと考えると理解しやすいと思います。