2026/7/7 公開
この記事は、Quoraで公開した回答を再編集したものです(元の回答)。
英語の多読Q&A
多読は英語学習の定番メニューですが、「本当に話せるようになるの?」「いつから始めていいの?」「何を読めば楽しく続けられるの?」といった疑問は尽きません。Quoraに寄せられた多読関連の質問4つをまとめて整理してみます。
多読で話せるようになるか
Q. 大量の英文を読んで(CNNやBBCなど)そこから英単語や文法を学んでいくことは英語を話せるようになることにつながりますか。シャドーイングも同時にしていく予定です。
シンプルに答えるなら「はい」です。というより「はい」としか言いようがありません。ただ、この回答が質問者様にとって本当に役立つかどうかは別問題です。
もし「これでいいですか」という安心を求めているのだとしたら、この手の質問でそのニーズが満たされる可能性は低いと思います。なぜなら、英語学習という長距離走においては「自分の課題を自分で正確に把握する」ことが何より大事だからです。そして質問者様が今どんな課題を抱えているのかは、私を含め他人には分かりません。
シャドーイングは何の目的でやるのか。CNNやBBCの英文は自分のレベルに合っているか。自分の文法レベルはどのくらいで、多読を始めていいと思えるか。そもそも読むのが好きか、聞くのが好きか。どんなジャンルなら退屈せずに続けられるか。こうしたことは、本質的に他人には答えられません。自分で判断するしかないのです。
とはいえ、最初から正解を知っている必要はありません。仮説でいいので自分の学習課題をいくつか設定して優先度をつけ、まずやってみて、無理を感じたらその理由を分析して対策する。唯一の正解があるのではなく、自分に合った道があるだけだと考えるのがおすすめです。そう考えられれば、個別の学習法について人に質問する必要はほとんどなくなります。自分のことは自分が一番よく知っているはずですから。
一方で、多くの人が経験して役に立った方法を集めて自分に合うか試す材料にしたり、ヒアリングに付き合って自分のペースを守る手助けをしてくれるコーチを雇ったりすることには、十分意味があると思います(元の回答)。
精読から多読へ切り替えるレベル感
Q. 語学学習で質より量(精読→多読)が効果的になる学習者のレベル感はどのくらいでしょうか?具体的な回答例「すでにTOEFL R27点がとれる人なら多読」などが好ましいです。リーディングに限りません。
語学の王道は、多読・多聴による大量のインプットだというのが私の考えです。多読が苦でなくなったレベルになったら、そのタイミングで多読を始めてよいと思います。点数などの目安はそこまで気にしなくて大丈夫です。
精読はあくまで文法理解のための一つの手段にすぎません。もしTOEFL Rで27点が視野に入るレベルなら、文法の学習はそろそろ一段落してもよい頃だと想像します。
ただし、読むこと自体が苦痛だったり、辞書を引きながらでないと時間がかかりすぎたりする場合は、文章のレベルが合っていないか、まだ文法や語彙の基礎に穴がある状態だと考えられます。その場合は文章のレベルを落とすか、精読を含めた基礎学習にもう少し時間をかけるのがよいと思います(元の回答)。
多読はスピーキングやライティングにも効くか
Q. 近頃多読が英語学習で効果的であると言われていますが、リーディングだけでなく、スピーキングやライティングなどにも効果的ですか?
語学上達のコツはシンプルで、大量の正解をインプットすること、自分のアウトプットを訂正してもらうこと、ルールを明示的に学習すること、この3つに尽きると思います。
多読は1番目の「インプット」に属します。インプットは多ければ多いほど良く、パターン認識ができるようになります。文法の勉強(3番目)だけしてインプット(1番目)をしないと、いつまでたっても英文を処理するスピードが遅いままです。
インプットの量を増やせば、構文のパターンが分かるようになり、語彙が増え、英文を認識するスピードが上がります。これがスピーキングやライティングに効果があるかと聞かれれば、当然あるとしか言いようがありません。
ただ、おそらく本当に聞きたいのは「効果があるか」ではなく「効率的かどうか」だと思います。アウトプットのスキルに関しては、2番目の「訂正してもらう」ほうが当然効率的です。書けるようになりたければ書いて添削を受けるのが一番ダイレクトですし、話せるようになりたければ話すのが近道です。ただ大人の場合、いきなり話すことだけに頼るのは非効率かもしれません。幼児と同じ学習プロセスを繰り返すのはなかなか難しいので、結局は自分のレベル次第という話になります。
1番目だけをするより3番目を交えたほうが学習効率は上がり、2番目を交えたほうが自分でも気づいていなかった弱みに気づけます。要はバランスが大事、ということなのですが、これは改めて言われるまでもないことかもしれません。語学学習では「他人にこれが良いと言われた」よりも「自分でこれが大事だと思う」と判断できるほうが、たとえ外れていても自分の中に根拠があるぶん柔軟に軌道修正できます(元の回答)。
楽しく続けられる多読の素材
Q. 英語の多読をしたいのですが、ただの英字ニュースは面白くなくて続きません。何か楽しく多読ができるものはないでしょうか?
人を選ぶ方法ですが、私はよくゲームをおすすめしています。取り組みたいレベル次第ではありますが、日本語で一度プレイした作品を、あらためて英語でプレイし直すのもよいと思います。
ゲームはジャンルにもよりますが、能動的に関わらざるを得ない(意味が分からないとクエストが進まない、など)ぶん、本を読むよりも効果が高いのではないかと個人的には思っています。
注意点としては、現代を舞台にした、現実離れしすぎていないものを選ぶことです。ファンタジー系だと言い回しが古かったりするので、その点は少し気をつけたほうがよいと思います(元の回答)。